「文化のみち二葉館」 名古屋市東区橦木町 ~旧川上貞奴邸(二葉御殿)~

今日も見に来てくださりありがとうございます。

先日ご紹介した名古屋市東区泉2丁目交差点から白壁までの約1kmの桜並木道
今日は、その途中にある「二葉御殿」のご紹介です。

 

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川上貞奴という女優さんをご存知ですか?

川上貞奴

  • 明治4年(1871)生まれ。
  • 明治24年(1891)書生芝居をしていた川上音二郎と結婚。
  • 明治32年(1899)川上音二郎のアメリカ興業に同行する。そこで急遽代役を務めたことから日本初の女優となった。
  • 明治33年(1900)パリ万博を訪れ、会場の一角にあったロイ・フラー劇場で公演する。当時の大統領エミール・ルーベが官邸で開いた園遊会にも招かれていて、「マダム貞奴」の通称で一躍有名になる。パリの社交界にデビューした貞奴の影響でキモノ風の「ヤッコドレス」が流行。ドビュッシーやピカソは彼女の演技を絶賛したという。
  • 明治44年(1911)夫、川上音二郎、死去。
  • 大正6年(1917)女優引退宣言。

 

女優を引退した後、福沢桃介と一緒に暮らした家がこの二葉御殿。
福沢桃介はあの有名な福沢諭吉の次女、房(ふさ)の婿。
名古屋を拠点として木曽川水系に大井発電所をはじめ7ヶ所の発電所を建設し、「電力王」とよばれる実業家です。

 

正面玄関です。

 

階段の途中から撮影した旧大広間。
左側はホールと正面玄関。
右の方にグリーンのソファーが二つ。
その奥も大広間になっていて、そこに素敵な一角が・・・

 

壁の形が丸くなっていて、そのカーブに合わせてソファーが並んでいます。
なんとも贅沢な作りですね。
ソファーのグリーンとカーテンのグリーンが統一されていて落ち着いた雰囲気。
窓から差し込む日差しが心地よさそうな一角です。

 

大広間にはこんな素敵なステンドグラスの窓もあります。

 

外から見てもきれいですね♡

 

旧大広間の隣は旧食堂で、旧食堂の窓にもステンドグラスが施されています。

 

食堂にこんな素敵なポスターが飾ってありました。

 

 

 

旧食堂の隣は二間続きの和室になっていて、旧婦人室と旧茶の間。
旧茶の間の一角に旧書斎があります。
この3部屋の和室は国の文化財として登録されているそうです。

この部屋は旧婦人室。

 

旧茶の間には貞奴が愛用していたものが展示されていました。

一番右にあるカップ&ソーサーは貞奴が「日本陶磁器会社」(現在のノリタケカンパニー)に注文して作られたものだそうです。

 

これは当時の貞奴邸正門に掲げられていたと思われる表札。

 

和室の隣が旧台所他となっていました。
台所の他にも何か別の用途で使っていたのでしょうか。
二人暮らしであれば十分すぎるほどの食器棚。
二葉御殿は政財界人や文化人のサロンになっていたそうです。
お客様をおもてなしするための素敵な食器がずらりと並んでいたのでしょうね。

 

 

旧食堂から旧婦人室、旧茶の間、旧台所へ続く廊下。
床のデザインもお洒落ですね。
左側が各部屋の扉になっていて、右側は窓。
窓からの景色は・・・

 

廊下の洋風の雰囲気とは違って和風ですね。

 

廊下の突き当たりは北側入口。
ここも正面玄関の洋風とは正反対で、和風です。

1階にはもう一つ部屋があって、旧事務室、女中室となっていますが、ここは関係者の事務室となっていました。

 

もう一度旧大広間に戻って、今度は2階へ上がります。
旧大広間から2階へ続くらせん階段。
ステンドグラスの照明に照らされて素敵です。

 

らせん階段を上がると、らせん階段をコの字に囲むようにフロアになっています。
写真に写りきらなかったのですが右側にベランダもあります。

 

2階は旧寝室、旧書斎、旧婦人室、旧次の間(仏間)、旧支那室の全5部屋と旧浴室、洗面所、化粧室があります。
旧書斎。
桃介の書斎として使われていたそうです。

 

 

旧婦人室。
貞奴の親しい友人はこの部屋に通されたそうです。

 

 

二葉御殿

川上貞奴が女優を引退した後、福沢桃介と一緒に暮らした家。

大正9年(1920)に現在の白壁3丁目(旧 東二葉町)に建てられ、平成12年(2000)に解体され、約5年かけて現在の場所(東区橦木町)に移築復元され、平成17年(2005)に「二葉館」として開館される。

1階・・・旧大広間、旧食堂、旧婦人室、旧茶の間と旧書斎、旧台所他、旧事務室と旧女中室。

2階・・・旧寝室、旧書斎、旧婦人室、旧次の間(仏間)、旧支那室の全5部屋と旧浴室、洗面所、化粧室。

こんな豪邸に二人で仲良く暮らしていたんですね。
当時の最先端をゆく和洋折衷のこの豪邸はどの部屋も素敵で、大正ロマンが感じられる空間でした。

 

二葉館入場料

入場料は大人200円、中学生以下は無料。
二葉館から約50メートルのところには、陶磁器商として活躍した井元為三郎が建てた邸宅「橦木館」があります。
この橦木館も入場料が大人200円なのですが、二葉館と橦木館セットで320円で入場することができます。

 

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「文化のみち二葉館」 名古屋市東区橦木町 ~旧川上貞奴邸(二葉御殿)~” に対して6件のコメントがあります。

  1. バカワイン より:

    歴史と文化が詰まった記事、ありがとうございます。
    名古屋に行くことは度々ありますが、全然知りませんでした。
    いずれ行きたいですねー。

    1. Emi より:

      バカワインさん、こんにちは。
      コメントをありがとうございます。
      名古屋に来られることがあるんですね(^v^)
      東区泉から白壁辺りは中区栄から近くです。
      空いた時間を利用してまったりされるのもいいかも・・・

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